【読売新聞の報道から・・企業で働く3人に1人がパワハラをうけたことがある】
今朝(8月17日)の読売新聞1面と3面に、厚生労働省が職場からの相談件数で増加の一途をたどっているパワーハラスメント問題について、その対策を行うという記事があります。この記事では「今秋から、専門家による会議を設置し、企業にパワハラ対策を義務づけるかなどについて本格的に検討を始める」とあります。また「全国の労働局に寄せられた労働相談の内訳をみると、パワハラの可能性がある『いじめ・嫌がらせ』は6年連続トップ、17年度は7万2000件余りに上った」「労災認定も88件と過去最多」、厚労省調査では「企業で働く3人に1人がパワハラをうけたことがある」としています。
記事では、現在のところ「セクハラ」対策などと違い、パワハラの対策を義務づける法律なく、対策が遅れている原因となっていると分析、「パワハラ対策の法制化の議論が、厚労大臣の諮問機関、労働政策審議会で行われる」と報道しています。
私も企業、団体の勤め人を21年間してきましたが、今振り返ると「上司のあの行為は、今では言えば、自分に対する完全なパワハラ行為だった」という場面が結構ありました。当時はパワハラという概念はありませんでしたが、やはり人前で自分が納得しないかたちで「叱責」されたりするのは、辛いものです。私の性格上、あまりくよくよしないで、逆に「負けてたまるか」という「気の強さ」で押し返し、自分のなかで消化していましたが、やはりそれが辛くて精神疾患に追い込まれる人もいるではないでしょうか。その意味でも、パワハラ行為は現代社会においては許されるものではないでしょう。
【線引きが難しいパワハラ行為の基準、部下への指導が委縮してしまう可能性も】
一方でこの記事では、大手企業の労務担当者の声をのせ「年代ごとに感じ方も違い、それぞれの立場で気づくことも多い」「指導をパワハラと取られて、上司も委縮してしまうなどの意見も寄せられている」「どのような場合にパワハラにあたるのか、その定義が難しい」とコメントしています。この記事にもあるように「上司がパワハラを意識しすぎて、部下に対して指導を委縮してしまう可能性もある」ことも、好ましいことではないと思います。その意味でも「パワハラ」の線引きは難しく、安易に「パワハラ行為だ」と断定されることにも、若干の懸念はするところです。
パワハラについて私の体験上言えることは、上司と部下との関係、あるいは社員どうしの間にどれだけの『信頼』関係が築かれているかが、この問題の大きなカギではないでしょうか。お互いに信頼関係が築かれていれば、たとえその行為が「パワハラ」行為であっても、お互いに乗り越えられるものがあるのではないでしょうか。
いずれにしてもこのパワハラ問題、今後の法制化の議論に注目し、そして府中市役所内でもパワハラの実態はどうであるのかも関心のあるところです。一度議会でも質疑をしてみたいと思います。
結城亮(結城りょう)