府中市 人口減を見据えた市の将来と負担のあり方を考える・・江戸川区が人口減、税収見通しを区民に示してアンケートを実施へ
府中市議会議員(改革保守系、無所属)の ゆうきりょう です。
★行政サービスと住民負担の望ましいバランスについて、区民に問う
先日の朝日新聞多摩版によると、都内の江戸川区が将来の区政と住民負担について区民アンケートを実施するとの記事があります。記事では将来にむけて人もお金も減るなか、行政サービスと住民負担の望ましいバランスについてのアンケートとのことです。記事では「江戸川区が人口や税収の見通しなど『誰もがあまり触れたくない』データを示したうえで、区民に区の将来像を問うアンケートを実施していく」そうです。
記事によると「江戸川区の推計によると、2100年の区の人口は現在の69万3600人から半減、35万4500人になり、歳入は現状の6割減の763億円になり、区職員も半減する」「高齢化による社会保障費用の増加などもふまえ、区は行政サービスの急減な低下を避けつつ『持続可能な江戸川区』にするために、区民の意見を募る」とのことです。
また同記事によると、江戸川区は今の子どもたちが高齢になる2100年を見据えたアクションプランを策定、「社会保障やごみ収集など行政サービスに使われるお金と、区民税や公共施設の使用料など区民負担のバランスについて、①高サービス高負担、②中サービス中負担、③低サービス低負担の3つから回答するあります。ちなみにこのアンケート回答は、後日の同区の広報紙に掲載されるとのことです。
★府中市の将来・・今後の人口減少、高齢社会の到来に対し、これまでの公共施設を維持できるのか
府中市の将来について考えるときに、公共施設マネジメント(以下、公マネ)という方針が参考になります。これは市内にある公共施設の今後のあり方に関する市の方針書で、この公マネで主張している大きな情勢分析として、①人口減少に伴う市税収入の減少、②社会保障関連費の増加により、今後は厳しい財政運営が予想されるとし、公マネ全体を通じて「わが国の人口が近い将来において人口減少に転じること、高齢社会となり、子どもの人口が減少していく」ことに大変強い危機感を表しています。あわせて、この公マネ方針のなかに注目するのは、「本市は同程度の人口規模の他自治体と比べて多くの公共施設を有していることがわかります」との記述があります。
★建築後30年、60年後にかかる経費は莫大
また公マネでは①本市の公共施設のうち約65.7%が建築後30年以上を経過していること、②令和34年度までにかかる修繕、更新費用は年平均約106億円、最も費用を要する年度で約175億円の費用がかかるとの記述があります。さらに続けて①現実的には現状の公共施設の面積で、更新などを行うことは困難とし、②今後、施設にかかる費用をできる限り抑えていくことが重要とあり、③今ある施設をすべて更新、保有することは市民負担の増加になると警鐘を発しています。
★平成の初頭に建設された府中の森芸術劇場、生涯学習センター、府中市美術館の運用費が財政を圧迫する恐れ
さらに公マネ方針のなかで「市民文科系施設や社会教育系施設などの大規模施設を整備したのは昭和の終わりから平成初期であり、これらの施設整備にあたっては、本市が平和島で開催しているモーターボート競走事業の収益による繰り出し金を活用することで対応した」とあります。調べると1991年は168億円の実収入がありました。また一方で「これらの建築後30年以上が経過する施設は大規模改修などの老朽化対策が必要になる」とし「建築後60年が経過した施設は立て替えなどの対応が必要となる」とし、現状のままでは将来において市の負担が過大なると、的確な分析しています。
★民間活力の導入で市負担の軽減を図るべき
この平成の初頭に建設された府中の森芸術劇場、生涯学習センター、府中市美術館、これが建設された経過と理由および、建設から30年が経過した段階で、どの程度の施設改修費用がそれぞれに要し、その総額はいくらか。あわせて建設から60年を経過した段階では、どの程度の改修建築費を要するか知りたいところです。
公マネではこうした危機感から「管理運営方法を見直し、民間活力の導入など様々な手法を検討し」「コストの削減や財政の平準化を図る」との方向性を打ち出しています。90年代初頭に建設したこれらの大型公共施設について、今後は統合、民間への売却、または民間への賃貸など、様々な民間活力の手法を導入し、その運用費用について、市の負担が軽減する策について、私は必要であると考えます。ぜひこうした点についても、今後予算、決算委員会で質疑をしたいと思います。(府中市議会議員 ゆうきりょう)
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