16 10月

「保育の質 議論を・・衆議院選挙 待機児童で親ら期待」(東京新聞)

★待機児童は32万人ではなく88万人?!

今朝(16日)の東京新聞3面に総選挙の国民的関心が高い問題として、待機児童解消の問題が掲載されています。安倍政権は2020年までに「待機児童ゼロ」を掲げていますが、記事では「(政府は)施設を増やすことに躍起だが、施設や保育士の『質』という新たな課題も明瞭になってきた」としています。「本当に32万人分増やせば、待機児童ゼロになるのか」という保活経験者の声をのせ「川崎市に住むゼロ歳児の母親(41歳)は『仕事に復帰する1歳までに入園させたいけど、現実は厳しい』と話した」。シンクタンクの「野村総研は32万人分ではなく88万6千人分が必要と推計」としています。

★安上がりな保育で質を落とすことなく

保育所の待機児童問題は施設確保だけではなく、そこで働く保育士さんの確保も緊急課題となっています。記事では「ある東京都の自治体は今年8月に保育施設の増設を目指したが、運営業者の辞退で延期を余儀なくされた。担当者によると、保育士不足で人材派遣業者に支払う手数料が高騰、業者側が収益も見込めなくなった」ともあります。記事では保育園を考える会の方のコメントとして「狭い場所に子どもを詰めこむような安上がりな規制緩和を提案するのではなく、保育の質を落とさないための対策としを議論してほしい」とされています。

最近では、いわゆる「有資格者」でない保育士さんも増えています(保育補助として)。私も最近、市内の認可保育所で保育士さんが児童に不適切な行為があったと相談をうけましたが、これなども保育士さんの質が問われる問題です。わが国は少子化社会に突入していますが、共働き世帯が多くなり一方で、お子さんを保育所の預けられないような社会となっています。これではまるで政府が「子どもは産まない方が良いですよ」と言っているようなものではないでしょうか。

あらためて待機児童問題と良質な保育行政について、私も現場の声を聞いて議会でも取り上げたいと思います。

02 9月

府中市の待機児童数は全国で10位・・朝日新聞調査より

今朝(2日)の朝日新聞1面には、「認可保育所に入所できない待機児童が3年連続で増加し、4月1日時点で前年同時期より2528人多い、2万6081人となり、このうち7割以上が首都圏や近畿圏といった都市部に集中していた」と報じています。記事では「1~2歳児の半数近くが保育施設を使うようになっており、土地不足といった都市部特有の問題もあって受け皿整備が後手に回っている」としています。

この記事では待機児童解消策として、政府は幼稚園の活用と企業主導型保育所に期待をかけているものの、成功していないことが分析記事としてあります。また朝日新聞の全国の自治体待機児童数調査によると、府中市は第10位にランクされています(383人)(1位は世田谷区の861人です)。

また先日紹介した杉並区は、待機児童解消策が実を結んでいると思われ、今回の朝日新聞調査ではワースト20位までにランキングされていません。私は府中市もこの待機児童数問題は、「緊急事態宣言」(仮称)を発令し、危機感と緊張感をもって臨むべき課題であると思います。それは今後の府中市政の土台も揺るがせかねないと思うのですが、どうでしょうか。

27 8月

杉並区の保育所待機児童解消にむけた緊急対策に学ぶ(日経グローカル)

雑誌「日経グローカル」(7月3日号)には、フリーライターの小石勝朗さんによる、杉並区の待機児童解消の取り組み記事が掲載されています。タイトルは「聖域なり区有地活用を掲げ保育定員は1年で2348人増加」とあります。それによれば「杉並区は区長をトップとする、緊急対策本部の設置のもと、待機児童対策の緊急対策を講じても、なお2016年4月に120人から190人になるとの予測のもと、行政のショックは大きいものだった」としています。そこで杉並区は16年4月18日に「保育緊急事態宣言」をだし、17年4月には待機児童ゼロをめざし、保育施設用地として「聖域なき区有地の活用」に乗り出したとしています。

その後、「連休明けの17年5月13日に区立公園4ヵ所を含む11ヵ所の区有地に、認可保育所7ヵ所など計795人分の上乗せ策を打ち出し、民間事業所が独自提案していた2ヵ所の認可保育所などあわせて、計1141人分の整備を掲げた」としています。あわせて区独自の保育士確保策にも取り組んだことも掲載されています。その結果、「17年4月には19の認可保育所をはじめ計40の保育施設の開設を畠氏、増えた定員は計2348人で目標の2200人をクリアし、うち半数は待機児童の多くを占める0~2歳児の枠として、認可整備率は37%に上がったとのこと。23区中12位に改善し、認可入所率は申し込み者数は前年より500人増えたにも拘らず、入所率は70%と18ポイント上昇となった」そうです。今後も杉並区は17~19年度にも毎年1000人ずつ保育定員を増やしていく計画とのことです。同時に保育の質の充実にも力をいれ、区立保育所園長経験者による抜き打ち調査も行い、保育現場の質の改善に常時取り組むとしています。

同誌の記事を拝見し、行政トップを中心に緊張感と危機感をもって、待機児童解消にむけて取り組むことで、ここまでのことが実行できるものかと感心しました。この杉並区の待機児童解消の取り組みは、府中市においてもまったく共感できるものです。府中は待機児童の多さでは、多摩でワーストワン、都内でもワーストテンに入る不名誉な記録を残しています。私もぜひ一度、杉並区の保育行政担当者にも話を伺い、議会でも取り上げたいと思います。

12 8月

「潜在保育士 ベビーシッター希望、労働環境厳しく保育園敬遠」(朝日新聞多摩版)

今朝(12日)の朝日新聞多摩版には、保育士さんの資格をもちながら、保育士の仕事をしていない、「潜在保育士」に焦点をあてた記事を掲載しています。記事によれば「潜在保育士は全国で約80万人(厚生労働省調査)」のこと。原因は重過酷労働の一方で低賃金のため、生活がなりたたないことが主因です。

一方で潜在保育士のなかに、ベビーシッターを希望する方が増えているとあります。記事では保育園に3年間勤務した女性のコメントとして「保育園はやりがいはあったが、拘束時間は長いし、家でデーター入力や工作の準備をしていた」「ベビーシッターの勤務頻度は自分で選べて、収入は多い時で保育園時代の2倍に。仕事を持ち帰るストレスもない」と考えを述べています。

私も議会で「認可保育所の増設で待機児童ゼロを」と主張しますが、実際、保育所を建設してもそこで働く保育士さんが不足していては、安全良質な保育サービスの提供などできません。これは政治の責任だと思います。政府も都もこの保育士さんの実態調査を行い、一刻も早く保育士不足解消の手立てをしなければならない、それは日本の将来を担う子どもたちに対する、投資にも値すると私は思います。

11 8月

「セブンイレブンが店舗内に保育所・・パート確保を狙い開園へ」(朝日新聞)

今日の(11日)の朝日新聞経済面(14面)に、セブンイレブンが店舗内に認可外保育所を開園するという記事が掲載されています。記事では「コンビニスタッフ向けに店舗併設型の保育所を開園すると発表した。まずは東京の大田区と広島市の2店舗で9月末以降の開園をめざし、利用状況を見ながら増やす。人手不足の業界で、子育て中の主婦らが安心して働ける環境をつくり、女性のパート従業員を増やすねらいだ」としています。

また名称は「セブンなないろ保育園」と名付ける認可外保育園で、「運営は外部委託。2店舗がある地域は待機児童が多く、近くにある別のセブンイレブンからも利用できる。定員は大田区が30人、広島市の店舗が19人、0~2歳児が対象で、従業員の子どもが優先される」とあります。設置費用や賃料はセブンの本社負担、保育料の一部を対象の加盟店が負担することで、周辺の保育園よりも安く設定する」とのこと。

ヤクルト販売が店舗内に保育所を開設していますが、その目的もこのセブンイレブンと同じ働き手の確保です。待機児童が多い府中市も、今後セブンイレブンの店舗保育所開設の可能性は、考えられるのではないでしょうか。一方で認可外保育所ではこれまでの多くの事故が発生しているだけに、安心と安全、良質な保育サービスを提供する保育行政実現のために、このセブンイレブンの動きに注目し、問題点について、研究していきたいと思います。