12 11月

「保育所開設 近隣に配慮」事業者向けセミナー開催(読売新聞)

★神戸地裁、大阪高裁判決では、子どもたちの声(騒音)は、住民の我慢の限界を超えているものではない」

 

今朝(12日)の読売新聞社会保障面(32面)に、保育施設をめぐる近隣住民とのトラブル解消と良好な関係を築くことを目的とする、保育所運営セミナーの様子が掲載されています。1つは保育所建設工事中の騒音振動に対する住民とのトラブル、2つ目は保育所開設以降に児童たちの声に対する、近隣住民とのトラブルにどう対応するかに焦点をあてています。

 

なかでも子どもたちの声をめぐっては、今年2月の神戸地裁の判決が注目されており、記事では「(保育所施設からの子どもの声は)我慢の限界を超えているとは認められず、違法とはいえない」として(住民の)訴えを棄却」とあります。住民はその後、控訴したが大阪高裁は棄却したとのこと。「高裁判決は、保育施設について『公益性・公共性の高い社会福祉施設』と認定し、『園児が園庭で自由に声をだして遊び、保育者の指導を受けて学ぶことは、健全な発育に不可欠』との認識を示してる」と記事にはあります。

 

★保育所は住民にとって「迷惑施設」なのであろうか?

 

私も府中市内で建設計画があった私立認可保育所の住民説明会に出席したことがりますが、そこでもこの記事同様に、周辺住民から子どもたちの声や、車の駐車場などの問題で保育所運営事業者に懸念の声をあげていました。保育所の存在はもはや、近隣住民の方たちからは「迷惑施設」になっているのではないかと、大変悲しい思いをしたのを覚えています。いずれにしても、子どもは日本の未来の宝です。幼少発達期における保育所の役割は、子どもたちの未来にとって重要なのは言うまでもありません。私も引き続き保育所問題について、待機児童解消と保育士さんの確保の課題と並んで、保育所運営についても引き続き関心を払っていきたいと思います。

09 11月

「保育事故」に読者から反響 安全確保した施設作りを(読売新聞)

★国の保育士配置基準では安心安全の保育を守れない

今朝(9日)は京王線東府中駅北口であいさつ、午前中は一般質問の相談、午後はニュース配布、辻立ちなど。さて今朝の読売新聞くらし面に、同紙が連載した「安心の子育て 保育事故」のシリーズ記事に対し、多くの読者から反響が寄せられたことが掲載されています。記事では「現場の保育士からは、国が定める職員配置基準の見直しを求める意見が目立った」とあり、「埼玉県の元保育士(68歳)は『動き回る20人もの3歳児を、1人の保育士で世話するのは大変。国はもっと現場の声に耳を傾けてほしい』」「神奈川県の保育士(50歳)は『どこの保育所も人手不足が深刻で、ベテランの正規職員がいないところも増えている』」。

 

保育事故が全国でも相次いでいますが、これは至急対策を打たなければならない課題です。記事では「保育事故を防ぐため、認可外保育所で昼寝中の長女を亡くされた阿部一美さんは『自治体は保育施設の巡回を強化するなどして、各施設の状況をきちんと把握するべきだ。待機児童を解消するための保育所の増設は重要だが、同時に保育内容を充実させ、子どもの安全を確保しなければならない』と訴えている」。

 

★保育士確保は政治の責任で

 

私も2015年12月議会で、市立保育所の保育士の配置基準を見直すよう求めたことがありますが、私立保育所ではさらに大変な状況だと思います。以前、保育士を希望する方が、認可外保育所における保育士さんの幼児を扱う光景を見て、驚愕したと語っていました。私もそれを聞いて驚きましたが、保育士さんの待遇改善をあわせて対策を打たなければならないと思います。子育てできる社会環境を早急に整備することは、政治の責任です。私もまた議会で取り上げたいと思います。

16 10月

「保育の質 議論を・・衆議院選挙 待機児童で親ら期待」(東京新聞)

★待機児童は32万人ではなく88万人?!

今朝(16日)の東京新聞3面に総選挙の国民的関心が高い問題として、待機児童解消の問題が掲載されています。安倍政権は2020年までに「待機児童ゼロ」を掲げていますが、記事では「(政府は)施設を増やすことに躍起だが、施設や保育士の『質』という新たな課題も明瞭になってきた」としています。「本当に32万人分増やせば、待機児童ゼロになるのか」という保活経験者の声をのせ「川崎市に住むゼロ歳児の母親(41歳)は『仕事に復帰する1歳までに入園させたいけど、現実は厳しい』と話した」。シンクタンクの「野村総研は32万人分ではなく88万6千人分が必要と推計」としています。

★安上がりな保育で質を落とすことなく

保育所の待機児童問題は施設確保だけではなく、そこで働く保育士さんの確保も緊急課題となっています。記事では「ある東京都の自治体は今年8月に保育施設の増設を目指したが、運営業者の辞退で延期を余儀なくされた。担当者によると、保育士不足で人材派遣業者に支払う手数料が高騰、業者側が収益も見込めなくなった」ともあります。記事では保育園を考える会の方のコメントとして「狭い場所に子どもを詰めこむような安上がりな規制緩和を提案するのではなく、保育の質を落とさないための対策としを議論してほしい」とされています。

最近では、いわゆる「有資格者」でない保育士さんも増えています(保育補助として)。私も最近、市内の認可保育所で保育士さんが児童に不適切な行為があったと相談をうけましたが、これなども保育士さんの質が問われる問題です。わが国は少子化社会に突入していますが、共働き世帯が多くなり一方で、お子さんを保育所の預けられないような社会となっています。これではまるで政府が「子どもは産まない方が良いですよ」と言っているようなものではないでしょうか。

あらためて待機児童問題と良質な保育行政について、私も現場の声を聞いて議会でも取り上げたいと思います。

02 9月

府中市の待機児童数は全国で10位・・朝日新聞調査より

今朝(2日)の朝日新聞1面には、「認可保育所に入所できない待機児童が3年連続で増加し、4月1日時点で前年同時期より2528人多い、2万6081人となり、このうち7割以上が首都圏や近畿圏といった都市部に集中していた」と報じています。記事では「1~2歳児の半数近くが保育施設を使うようになっており、土地不足といった都市部特有の問題もあって受け皿整備が後手に回っている」としています。

この記事では待機児童解消策として、政府は幼稚園の活用と企業主導型保育所に期待をかけているものの、成功していないことが分析記事としてあります。また朝日新聞の全国の自治体待機児童数調査によると、府中市は第10位にランクされています(383人)(1位は世田谷区の861人です)。

また先日紹介した杉並区は、待機児童解消策が実を結んでいると思われ、今回の朝日新聞調査ではワースト20位までにランキングされていません。私は府中市もこの待機児童数問題は、「緊急事態宣言」(仮称)を発令し、危機感と緊張感をもって臨むべき課題であると思います。それは今後の府中市政の土台も揺るがせかねないと思うのですが、どうでしょうか。

27 8月

杉並区の保育所待機児童解消にむけた緊急対策に学ぶ(日経グローカル)

雑誌「日経グローカル」(7月3日号)には、フリーライターの小石勝朗さんによる、杉並区の待機児童解消の取り組み記事が掲載されています。タイトルは「聖域なり区有地活用を掲げ保育定員は1年で2348人増加」とあります。それによれば「杉並区は区長をトップとする、緊急対策本部の設置のもと、待機児童対策の緊急対策を講じても、なお2016年4月に120人から190人になるとの予測のもと、行政のショックは大きいものだった」としています。そこで杉並区は16年4月18日に「保育緊急事態宣言」をだし、17年4月には待機児童ゼロをめざし、保育施設用地として「聖域なき区有地の活用」に乗り出したとしています。

その後、「連休明けの17年5月13日に区立公園4ヵ所を含む11ヵ所の区有地に、認可保育所7ヵ所など計795人分の上乗せ策を打ち出し、民間事業所が独自提案していた2ヵ所の認可保育所などあわせて、計1141人分の整備を掲げた」としています。あわせて区独自の保育士確保策にも取り組んだことも掲載されています。その結果、「17年4月には19の認可保育所をはじめ計40の保育施設の開設を畠氏、増えた定員は計2348人で目標の2200人をクリアし、うち半数は待機児童の多くを占める0~2歳児の枠として、認可整備率は37%に上がったとのこと。23区中12位に改善し、認可入所率は申し込み者数は前年より500人増えたにも拘らず、入所率は70%と18ポイント上昇となった」そうです。今後も杉並区は17~19年度にも毎年1000人ずつ保育定員を増やしていく計画とのことです。同時に保育の質の充実にも力をいれ、区立保育所園長経験者による抜き打ち調査も行い、保育現場の質の改善に常時取り組むとしています。

同誌の記事を拝見し、行政トップを中心に緊張感と危機感をもって、待機児童解消にむけて取り組むことで、ここまでのことが実行できるものかと感心しました。この杉並区の待機児童解消の取り組みは、府中市においてもまったく共感できるものです。府中は待機児童の多さでは、多摩でワーストワン、都内でもワーストテンに入る不名誉な記録を残しています。私もぜひ一度、杉並区の保育行政担当者にも話を伺い、議会でも取り上げたいと思います。