06 9月

保育所「落選」狙い応募 入所希望せず、昨年延べ190人(世田谷区)

【毎日新聞多摩版の報道から】

 

今朝(9月6日)の毎日新聞多摩版に、「待機児童が深刻な世田谷区で昨年、保育所への入所を希望しないにもかかわらず、申し込んだ保護者が推計でのべ190人にのぼることが、区の調査でわかった」と報じています。この理由は「育児休養の延長に必要な『落選通知』を取得するためとみられ、仮に当選しても辞退した可能性が高い」としています。

記事では「育児・介護休業法は育休について『子どもが1歳に達する日までは取得できる』と規定しているが、保育所に申込だが、入所できなかった人は1年間延長することができる。その際には『落選』を伝える自治体の『入所保留通知書』の提出が必要だ。このため『2歳まで子どもを自分で育てたい』と望む保護者が、通知書を得る目的で人気の保育所だけに申しこむケースがでているという」と報じています。また記事によれば大阪市など32の自治体は「自治体の保育施策全体をゆがめるものだ」として、通知なしで育休延長できるよう、国に申し入れをしているとのことです。

 

実はこの話については、先日都内の保育担当課の方からも同様なケースが、同区内でも発生していることを聞いており、「かなり露骨ですよ」と話していました。親御さんの思いからすると、この記事にもあるように『2歳まで子どもを自分で育てたい』という思いからかもしれませんが、自治体の保育施策をゆがめるという点もあるでしょう。親御さんの子育てに対する思いと、行政の適正な施策をどうバランスあるものにするかが問われます。

府中市ではこの問題、どうなっているのか決算委員会でも聞いてみたいと思います。

結城亮(結城りょう)

02 9月

紙おむつ、公費で回収へ 武蔵野市認可・認証保育所で

【朝日新聞多摩版の報道から】

 

今朝(9月2日)の朝日新聞多摩版に、「武蔵野市が保育所から保護者が持ち帰っていた子どもたちの使用済み紙おむつを、公費で園から回収することを決めた」と報じています。来年4月から市内の認可、認証保育所で実施予定とのこと。回収費の委託費を来年度当初予算に盛り込み、月曜から金曜まで週5回の回収を検討、1900万円ほどの予算としています。

この紙おもつはほとんどの自治体で保護者が帰宅時に持ち帰るケースが多いのですが、武蔵野市の施策は保護者からは大変喜ばれることでしょう。記事では「(紙おむつを保護者が持ち帰る目的として)『子どもの健康状態を、保護者が便で確認する』という狙いもあるとされるが、保護者の間では『おむつを持ったまま買い物に行きづらい』、『衛生面が心配』などの声があった」とのことです。「紙おむつを使っているのは0~2歳児で約1500人が対象」。記事によると「都内では紙おむつを回収しているのは、区や市があるものの、ほとんどは認可保育所のみの回収」とあり、「武蔵野市の子ども育成課は『保護者にとっても施設にとっても、負担が少なくなると思う』と話す」としています。

 

武蔵野市の場合、認証保育所まで対象を広げたことは大変評価されると思います。府中市でも市内の保育所の子どもたちの紙おむつの処理はどうなっているのか、また今後の対策をどう考えているのか、ぜひ武蔵野市のケースを参考にして決算委員会でも質疑をしたいと思います。

結城亮(結城りょう)

18 8月

町田市の待機児童対策・・町田駅から遠い保育所への送迎バスの取り組み

【TOKYO MX TVの報道から・・昨年10月放映】

 

待機児童解消のために積極果敢な策を打ち出す町田市ですが、昨年10月からは新たな待機児童対策として「市内で定員に空きがある保育所は、自宅や通勤で使う駅から遠くて利用できない」という悩みを解消するため、駅前で子どもを預かり、駅から離れた保育所に専用の車で送迎するという取り組みを、「TOKYO MX TV」(東京MXテレビ)が報道(インターネット)紹介しています。

同テレビの報道では、「(昨年)10月2日にオープンする、町田駅から徒歩4分の場所にある保育施設『送迎保育ステーション』は、送り迎えの時間だけ子どもを預かるために整備されました。子どもたちは専用の車に乗り、最大で片道30分をかけて、駅から離れた複数の保育所や認定こども園に送り迎えされ、日中はそれぞれの施設で過ごすことになります」。「町田市の担当者は『保護者の選択肢が格段に広がるのではないか。今回送迎するエリアは、団地はあるが子ども少なくなってきている。ただ、以前から保育園・幼稚園があり、そうした土地柄を生かした事業』(保育・幼稚園課担当)だといいます。

 

【町田駅から離れた定員の余裕のある保育所への送迎バス、運営主体が違う複数の施設への送迎は都内で初めて】

 

また同テレビでは「子どもを預けたいというニーズが高い町田駅周辺は保育所の用地確保が困難な状況で、駅から離れた定員に余裕がある保育所を活用しようと始まるのがこの送迎保育です。運営主体の違う複数の施設に送迎するのは、東京都内で初めての試みです。利用の対象となるのは1歳児から5歳児で、20人の募集枠に対し、10月から7人が利用することが決まりました。市では今後も、町田駅以外にもステーションの整備を検討するなどして、待機児童の解消を目指すということです」。

私も先日、町田市役所の保育所担当者の話を伺いましたが、この送迎バスは1ヶ月2000円で利用できるとのことで、バスの便も増やす意向とのことでした。町田市は面積が大変広い地域ですので、親御さんにとってはお子さんを遠くの保育所に預けるのは、大変な困難を伴います。そこをカバーするのが、この送迎バスの取り組みです。こうした親御さんを「思いやる」保育施策について、私もぜひ今度の議会で取り上げてみたいと考えています。

結城亮(結城りょう)

16 8月

町田市の保育行政の取り組み・・市独自の保育所災害時対策ガイドライン策定

【東日本大震災の教訓をいかすために・・子どもの命を守り、保護者に引き渡すのは行政の責務】

 

先日、町田市の保育支援課でいくつかの経験を伺いに行きましたが、そのなかで市独自に「保育所における災害対策ガイドライン作成」していることでした。担当者に伺うと、保育所における災害時対策ガイドラインは、国や都でも定めてはいないとのことです。そこで「震災などの災害が発生したとき、市の保育行政としては子どもを守ることが最大の責務だ。そこではじめに市内の保育所、幼稚園で対応策が整備されているかを調査して、現状対策の把握に努めた。次に学識経験者、有識者、市民を加えた検討協議会を開催し、協議のなかで東日本大震災の際、現地の保育所施設には、子供を保護者にひきわたす基準がなかったことを教訓とした。

そこで災害時の際には、保護者への連絡の仕方などを統一し、とくに首都圏では震災時においては交通機関が乱れることが予想され、子どもの保護者へのひきわたし基準を明確化した。また園児を保護者にひきわたすためのマニュアルも作成、とくに震災時には保育施設を使用できなくなる可能性を想定し、現場でどのように対応するのか具体的に基準を明確にした」という内容でした。

これは大変示唆にとむ内容だと思いました。保育所に震災時の対応基準がないことは「盲点」の1つでした。子どもたちの命を守り、保護者に確実に引き渡すことが保育行政の責務であるとの話に、行政の公的責任性を実感しました。とくに首都圏では震災時の対応は検討すべき重要事項です。私もこの町田市の取り組みを教訓に、府中市での対応はどうなっているのかについて議会でも質疑を行い、具体的な提案もしたいと考えています。

結城亮(結城りょう)

 

 

14 8月

町田市の保育士確保のための事業所説明会

昨日(13日)町田市の子育て支援課の方に保育行政について話を伺いに行きましたが、そのなかで保育士確保の取り組みが大変興味深かい中身でした。町田市では昨年から近隣の大学、専門学校、市内の保育事業所との間で意見交換会を重ねたのちに、今年6月10日に市内のホテルで保育士への就職を希望する学生向けの説明会を開催したとのことです。チラシ1万枚 ポスターも作成し市内や市外の駅で宣伝したのをはじめ、52の大学、専門学校にもチラシやポスターを配布をしたそうです。

開催当日は学生80名参加、参加法人は32、60の施設がブースを設けられたとのこと。参加者については事前予約制にはせずに、宣伝と口こみで集めたとのこと。当日参加した学生さんには、市が作成した保育所のガイドブックを配布し、事業所や雇用条件の概要を説明、また参加した学生にはバインダー、ボールペンをプレゼント、ケーキやお茶でのもてなしもされたとこと。担当者の方は「この就職説明会の取り組みは、単年度では成果は出ないと思う。毎年継続していくことが大事だと思う」とし、来年以降も計画していると話していました。

 

平成25年に厚生労働省が発表した潜在保育士の数(保育士の資格を取得しながら保育士の仕事をしていない方)は、全国で約60万人いると発表しています。女性にとって保育士の仕事は、憧れる職種の上位にランキングされるほどですが、低賃金と労働条件が劣悪なために、その仕事に就くことができない方が大勢いるわけです。

保育士の待遇改善策の実施とあわせて、町田市のように積極的な保育士確保の取り組み企画を今後、多くの自治体が行うことは大変意義があるのではないでしょうか。

結城亮(結城りょう)