23 9月

企業保育所定員半数空き 助成金厚く乱立

【今朝の毎日新聞報道から】

 

今朝(9月23日)の毎日新聞3面に、共同通信社の調査による全国の企業保育所の定員調査の結果が報じられています。企業保育所とは2016年度に創設された制度で、事業主が主に従業員向けに設ける施設で、認可外保育所の1つです。

記事では「定員に占める利用児童数の割合は回答をえた82自治体の平均で49%と半分を割り込んだ」とあり、「充足率80%以上の保育所は2割弱で、50%未満が半分を占めた」とのこと。記事によれば「定員割れの要因として自治体に聞いたところ『従業員が一般の認可を選んでいる』との回答が30」。この記事の解説では「保護者が望む認可園との需要のミスマッチがある」とし、「企業保育所は認可外であるため自治体のコントロールがおよばない」「制度ができてまだ2年あまりで、企業が自社の従業員向けに空きを確保しておくという側面がある。来年10月に幼児教育・保育の無償化が実施されれば、無料や小額で子どもを預けられるようになり、ニーズが増えるとの見方もある」としています。

 

【企業型保育所で働く親御さんの賃金、労働条件の改善も必要ではないか】

 

私も生活相談のなかで、お子さんを認可保育所に預けることができなかった親御さんが、この記事にある企業型保育所にお子さんを入園させていました。しかし「労働条件や賃金の面で生活も厳しく、長く続けられることができない。早く子どもを認可に入所させたい」と話されてもいました。この記事にあるように自治体としては指導が及ばない面が多々あるので、需要供給のミスマッチは避けられないようです。やはり国の指導で企業型保育所についても、そこでお子さんを預けて働く親御さんの公正な賃金、労働条件への改善、働くルールの確立が必要ではないかと思います。親御さんのニーズにかみ合う企業型保育所の制度改善を、国に求めたいものです。

結城亮(結城りょう)

18 9月

「保育所落選狙い」過酷な保活・・国や自治体が環境整備を

【東京新聞の報道から・・露骨な保育所落選狙い、背景に過酷な保育所の「イス取りゲーム」状況】

 

昨日(9月17日)の東京新聞4面で、共同通信の女性記者が保育所の待機児童問題で国の施策について論評されています。この記事では「保護者が育児休業を延長するために、あえて倍率の高い認可保育所への入所を『落選狙い』で申し込む行為が問題とされている。待機児童が多い都市部では、保育所入所に向けた『保活』は過酷な『いす取りゲーム』であり、入所を希望する保護者は『迷惑』と憤る」。

「しかし子どもをいつから保育所に預けて働くかは、個人の価値観で自由に決めることができて当然だ」と見解をのべ、続けて「落選狙いはなぜおきるのか。賃金の50~67%が雇用保険から給付される育休は、原則的に子どもが1歳になるまでしか取れないが、預け先が見つからない場合に限り、最長2歳まで延長できる」とその原因をのべています。

 

【男性の育休も推進させ、女性にとって就労と子育てが二社択一にならない社会を】

この「落選狙い」の件については、都内の行政区の保育担当者の方から以前、聞いたことがあり、「かなり露骨ですよ」と話をされていました。また「落選狙い」を問題にした自治体では、国に規制措置を要望したところもあるとのことです。確かに行政制度を「悪用」しているという側面があるかもしれません。しかしこの記事を書いた記者の方のように、自身のお子さんを保育所に入所させることができず一度は「退職」も覚悟された身として、「実際に(わが子を保育所に)落ちた当事者としては、落選狙いにショックを受けた。インターネットでも『わがまま』との批判があがる。だが元凶は、やはり待機児童問題だ」と論じています。また「国は親子の状況に合わせて、希望する時期に保育所に入れるよう、国や自治体は環境整備を急ぐべきだ」とする意見が正しいのではないでしょうか。国は保護者がお子さんを何歳まで過ごしたいかといったニーズに基づいて、育休制度を設けるべきではないかと思います。保護者としては、当然ながら0~2歳ぐらいまでは、そばにてい育児をしたい」と思うのも、理解できると思います。

記事では最後に、女性記者の方が主張しているように「現状では5%にとどまる男性の育休取得を推し進める男性の育休取得を推進することも必要だ。女性にとって、就労と子育てが二社択一にならない社会を目指したい」という意見が、一般的な社会となるための施策を、私も行政に求めていきたいと思います。

結城亮(結城りょう)

15 9月

東京都が児童虐待防止条例、来年2月に都議会提案へ

今日(9月15日)の毎日新聞多摩版に、小池都知事が記者会見で目黒区の5歳児童虐待死事件をうけて、子どもへの虐待防止の条例を来年2月に議会へ提案することを報じています。

記事によると「条例案には虐待の未然防止のため、保護者が子どもに健康診断を受けさせることや、児童相談所からの安全確認に応じることなどが盛り込まれる予定」とあります。また「政府が7月に決めた緊急対策にならって、これまで身体的虐待に限られていた警察との情報共有対象を、性的虐待や育児放棄にも広げる」としています。児相の専門職員らを本年度に41人追加増員することも盛り込んだ」とあります。このほかには「無料通信アプリラインで子どもや保護者からの相談を受け付ける窓口を11月1~14日に開設することを決めた」ともあります。

 

あまりにも残酷な目黒区の児童虐待のケースをうけて、世論の後押しもあり、都も条例を制定するところまできました。共産党都議団もこの問題では都議会で積極的な提案も行い、なかでも児童相談所の増員体制強化などを要望してただけに、政策的に実現できたことは大きな成果です。そして2度と目黒区のような事件を発生させないための、行政の施策が求められるのは当然です。市議会でもぜひ一度取り上げたいと思います。

結城亮(結城りょう)

13 9月

保育所実地検査、半数満たず・・保育の安全確認置き去り

【今朝の東京新聞1面トップ、26面でも報道】

 

今朝(9月13日)の東京新聞1面トップで、認可保育所の安全性などを行政が確認する実地検査について、同紙が調査したところ「東京23区、関東の政令市、中核市の計37市区での実施率を調べたところ、2016年度は46.2%と半数に満たないことがわかった」と、保育所の安全性について厳しく問う記事となっています。

記事のなかでは「児童福祉法の施行令は都道府県や政令市、中核市に年1回以上、管内すべての保育所に実地検査を義務づけている」として「15年度からは、子ども・子育て支援法に基づき、市町村や23区も同様の検査を行えるようになった」とあります。また記事では「特に低さが目立つのが東京23区で、全体で24.7%だった。児童福祉法上の義務を負う都が、都内全体で11.1%しか実施できていない」。これに対して都の担当者のコメントとして「施設の増加に体制が追いついていない。新しくできた施設や問題点が多い施設を優先している」としています。「一方で23区内の努力の差もでてきた」とあり、新宿、江東区は法にもとづき全施設に実地調査に入ったとのことです。しかし記事では「横浜、さいたま、越谷市などでは公立保育所にも検査をしていなかった」とあります。この記事は26面にも掲載されており、保育の質を問うという意味で大変興味深い記事です。

 

【保育の質を保障するための行政職員体制を】

 

 

待機児童数の解消が叫ばれることで、確かに認可保育所の数は増えましたが、そのソフト面、保育士さんの質や保育所の安全基準の課題など、「ひずみ」「ずさん運営」が露呈されている面があります。また行政サイドもこの間の「行革」により、職員体制を極力削減していることもあり、恐らく保育の質を確保するというソフト面の施策が追いついていないこともあるのでしょう。しかし事は、幼い子どもたちの安全という問題です。たびたび保育所において子どもの事故死も社会問題になっています。自治体にはこの点での体制強化を求めたいと思います。私も来週から始まる決算委員会でもこの点について、触れたいと考えています。

結城亮(結城りょう)

 

08 9月

東京都、待機児童37%減「成果」都知事評価、対策強める

【朝日新聞多摩版の報道から】

今朝(9月8日)の朝日新聞多摩版に、都内の待機児童数が昨年の4月と比較して37%少ない5414人になったと報じています。記事では小池都知事がその成果を強調と報じ、「都によると、都内の待機児童数が5000人台までに減ったのは10年ぶりで、前年を下回ったのは3年ぶり」とのこと。「待機児童がいる市区町は都内で48あり、うち34は昨年より減少。全校最多だった世田谷区は、昨年より375人少ない486人で全国3位」。また世田谷区の保坂区長のコメントとして「0~2歳児の小規模保育所の整備に力をいれたい」としています。

 

【国分寺市は待機児童数が倍増】

 

一方で逆に待機児童数が増えたのが国分寺市で、「待機児童数は昨年春の92人から202人に倍増とのこと。市の担当者は「入所希望者数が想定を超えてしまい、定員枠が足りなかった。今春に開所が間にあう保育事業者が2つしかなかった」としています。

  ちなみに府中市は市の速報値発表(5月)によれば、今年春の待機児童数は248人で昨年より135人減です。都の施策を活用して府中市も待機児童解消策に取り組んではいますが、まだ多摩26市でワーストワンです。この問題ではわが党の服部議員が9月4日の一般質問でも取り上げ、認可保育所の増設とあわせて保育士さん確保の積極的な施策、また保育の質を向上させるガイドラインの策定の要望もしました。

私は待機児童解消の問題で、8月に豊島区と町田市の保育担当課の話を伺いに行きましたが(詳細は8月中のブログにも掲載)、両自治体ともこの問題で積極果敢な姿勢を感じました。この待機児童解消と保育の質向上の問題について、私も決算委員会でも取り上げたいと考えています。

結城亮(結城りょう)