府中市議会「議会基本条例」の素案に対しては、市は市民の声をもっと聞くべき
府中市議会では議会改革検討委員会のもとで、議会基本条例の素案が示され、11月8日の「市議会だより」において、素案に対して市民の方から意見を求める記事が掲載されました。しかしその意見要望の締切が11月16日までとあり、「あまりにも拙速で、もっと市民の声を聞くべきだ」という声が、市民の方から寄せられましたので、以下、紹介いたします。
【朝日新聞の連載『議会改革をたどって』から学ぶもの】
11月8日発行の「市議会だより」と議会事務局のホームページから素案をみて率直に驚き、怒りを禁じえません。先日「朝日新聞」は「議会改革をたどって」を10回シリーズで掲載しました。私は、以前からこの問題には大きな関心を持ち議員とも意見を交わしてきました。そのうえで、内容にはあまり立ち入らず、入り口の問題で幾つか指摘と意見を述べます。
1、すでに全国の市議会の6割が策定している中、本市でも遅ればせながら議論が始まったことは歓迎します。これまでも、極めて重要な条例だけに市民や学識経験者も加えた検討委員会を設け内容を練り上げるよう求めていました。
2、しかし、今回の素案は11月8日付けの市議会だよりで初めて 公表し、なんと11月16日までに必着で意見を出せと言う極めて乱暴な提案となっています。その上に、この条例を議論してきたとする「議会改革検討委員会」は私の知る限りでは事務局HPでも市議会便りでも構成メンバーも議論内容も一切公開されていません。つまり密室で作業が進んできたわけです。「朝日」の議会改革シリーズでは全国の優れた経験とそこに至る議員や事務局の苦闘がリアルに描かれています。遅れていればこそ、全国の先進に学ぶ、この謙虚な姿勢が全く見えません。
3、素案第7条3項では「条例提案など政策の立案及び提言を行う際には、必要に応じて市民との懇談などを通じて、意見を聴く機会を設ける」としています。これから議会はもっと広く市民の意見を聴いていこうという本条例が、全く市民の意見を聞かずに策定され、しかも僅か1週間の短期間に意見があれば出せと言うのは極めて異常です。本市でも重要な計画策定などは、少なくとも1ヶ月の期間を設けてパブリックコメントを実施しています。
4、しかもこの条例は平成31年4月1日施行とされています。となると市議会第4回定例会、もしくは来年度第1回定例化にかかると思われます。今回の意見提出以外にこの間市民の意見を聴くどんな努力を計画されているのでしょうか。
5、これからの 府中市議会のあり方の基本を定めるこの素案、議会で決める前に市民の意見を聞くべきです。これをやらずに条例を制定するようなことがあれば、議会基本条例の精神を真っ向から否定する、議会の自殺行為にほかなりません。議員の皆さんの真摯な対応と、議員だけに任せるのではなく事務局長をはじめとする議会事務局の責任ある対応を期待します。以上
結城亮(結城りょう)