府中市の「ごみ・資源物出し方カレンダー」の配布漏れの今後の対応について
【受託業者に法的措置を求め、今後は市内に精通する業者に委託し、管理体制を強化する】
3月から4月にかけて市民生活に大変ご迷惑をかけた、市の「ごみ資源物出し方カレンダー」の配布漏れの今後の対応について、 5月14日付で府中市の生活環境部長付けの文章が、府中市の全市議に配布されました。この文章では、昨年11月21日に新宿区内のポスティング業者が一般競争入札で落札した時から、時系列で市と業者の対応と経過について記載されています。
文章では一番の焦点にる市の今後の対応ですが、3点記載されています。
①市民対応では配布漏れに関する市民の苦情は沈静化にむかっていると認識し、まだ未配達の世帯に対しては、市に連絡がありしだい早急に郵送または、職員がポスティングをする。
②受託業者に対しては契約不履行にともなう違約金を含め精査する。また今回、未配布により生じた印刷費や再配達に要した郵送料、封筒などの消耗品などの経費については、損害賠償含め受託業者が支払うべきものとし、法的措置を検討する。
③再発防止策としては、関係部署とも協議し、市内に精通しているなど業務遂行が確実で信頼しうる業者と契約するよう努め、受託業者の管理監督もこれまで以上に徹底する、としています。
【結城りょうの視点・・低額落札は結局、労働の質を悪化させる】
この問題は6月議会(第二回定例会)の一般質問で恐らく、複数の市議が取り上げるのではないかと思われます。とくにこの部長名文書の③の再発防止策が大変重要と考えます。今、全国的に問題になっているのが、自治体における一般指名競争入札で落札額が「安すぎる」実態です。民間業者は、業界内における「信用」を得るために、自治体の指名競争入札を落札することに主眼を置き、極度に安い金額で落札する傾向にあります。一方で業者は低額で落札した委託仕事であるだけに、この仕事を行う労働者もあまりに低い賃金単価で仕事をせざるえなくなります。その結果、業者は必要な労働力を確保できない事態が生じる結果、労働力の「質」が低下する原因にもなっています。今回の府中市の場合も、まさにこのケースではないでしょうか。自治体からの委託契約の適正単価のあり方も含めて議論し、議会の側からも再発防止に責任を負わなければならないと思います。
結城亮(結城 りょう)