府中駅再開発後の府中はどうなるのか
【読売新聞多摩版の報道から・・府中駅の木密地域解消に40年超を要する】
今朝(28日)の読売新聞多摩版に多摩地域の駅前再開発を分析した連載記事「変わる駅前」で府中駅の記事が掲載されています。記事にもありますが、府中市が府中駅前の再開発を決定したのは、1974年(昭和49年)のこと、その駅周辺を3つの地区にわけて計画を推進。「1996年に『第二地区』が伊勢丹・フォーリスに、2005年には『第三地区』がシネマ・コンプレックスなどが入る、『くるる』が完成」。そして昨年7月に「第一地区」が「ル・シーニュ」になり、駅前再開発が完了しました。「府中市の都市整備部の担当者は『建物の耐火性もあがり、安心して買い物ができる環境が整った』」とコメントしています。駅前には大国魂神社につづく「馬場大門のケヤキ並木」をいかした歩行空間が広がり、駅前には「ゆったり」とした雰囲気を感じさせる空間を、私も感じます。記事では「市は完了した駅前再開発を集客増の起爆剤として期待しており、担当者は『今後は、ケヤキ並木で開催するイベントなどでにぎわいを創出することが重要だ』」としています。
【結城りょうの視点・・「ル・シーニュ」完成後、厳しくなる駅周辺店舗の営業状況】
時代の流れとともに、駅前再開発事業が主流となっていますが、私の個人的感想としては、「せっかく城下町、府中の素晴らしさをもう少し、演出した駅前再開づくりができたら、また街の雰囲気も変わったのかな」と思っています。たとえば同じ城下町の埼玉県川越市の川越駅前は、古いたたずまいを今の時代にあわせたような建造物にして、街の個性を演出していました。現代の再開発事業は、どうしてもタワーマンションが建造され、「個性」のない街のたたずまいになってしまう傾向があります。
「ル・シーニュ」の店舗が繁盛するだけでは、街の賑わいを取り戻すことは難しいと思います。「ル・シーニュ」完成後、ほぼ誰の目から見ても「くるる」に来る客が明らかに少なくなったように思います。さらに伊勢丹府中店の動向についても、伊勢丹本体のリストラ計画もあり、今後も気がかりな状況です。また駅周辺にある飲食店の店長に「ル・シーニュ」オープン後、集客数を聞いたところ「やっぱり減りました」(ラーメン店)、国際通りにある居酒屋さんの店長さんも「客数は減った」と話していました。だいたい、国民、勤労者の実質所得が減っているのですから、結局は「縮小していく経済、少なくなる限られたパイを、食い合う」ような状況です。さらに隣の調布や国分寺、小金井、立川などと「都市間競争」に勝ち抜くというのですから、これは大変なことです。
私も市民の一人として、府中市の繁栄と府中駅の賑わいを願うものですが、この駅前再開発完成後の今後の行方については、今後も問題意識を持ち、議会でも要望意見していきたいと思います。 結城りょう