「米朝 北京で極秘協議、トランプ政権融和派巻き返し」(産経新聞)
【ティラーソン「対話」発言の背景にあった米朝極秘協議】
今朝(4日)の産経新聞1面朝刊にて、米朝両政府高官が先月上旬に、極秘協議をしていたとの記事をスクープしています。記事では複数の政府筋が明らかにしたとして、「北朝鮮との極秘協議を主導したのは米国務省情報調査局元北東アジア室長のジョン・メリル氏。『トラック・1.5』と呼ばれる官民合同の意見交換会の形をとったとされる」。また記事では「(会談直後の)12月12日にティラーソン国務長官は講演で『前提条件なしで北朝鮮との最初の会議を開く用意がある』と発言」、北朝鮮政府に対して対話再開のシグナルを送った可能性があるとしています。また注目される記事では日本とカナダ両政府の外務・防衛当局者が12月6~8日にかけて行った協議のなかで、「カナダ側は米国務省とのパイプ誇示しつつ対話の重要性を強調した。日本政府の『圧力重視』方針についても『圧力一辺倒では問題がある。不測の事態が起こるかもしれない』と懸念を示したという」と報道しています。さらに南北間では、直近1月3日に、北朝鮮政府が金正恩朝鮮労働党委員長の指示で、南北直通の電話回線の連絡ルートを再開させたと報道されました。韓国で開催される平昌オリンピック前の発言というところが、非常にカギをにぎると思います。
【米朝が対話関係構築なら、安倍総理は梯子を外されることになる】
この報道が事実なら日本政府、安倍総理は完全に梯子を外されてしまった格好になってしまいます。安倍総理は対北朝鮮政府には圧力一辺倒です。ところが同盟国アメリカ政府が、対話路線に転じるならば安倍総理の対北朝鮮への「圧力路線」は、破たんすることになります。産経報道の分析では、トランプ政権内で融和派が巻き返したと報じていますが、私はそもそも米朝間でこの対話ルートが、実は以前から出来上がっていたのではないかと「推察」できるわけです。それはマスコミから伝えられるトランプ大統領の対北発言も、圧力と思える発言もあれば、一方で対話を匂わせえる発言もあり、まるでトランプ大統領と金正恩委員長との間の「かけあい漫才」のようにも聞こえました。もしかすると平昌オリンピック終了後に、米朝間で劇的な事態(朝鮮半島の平和構築にむけて)が起こるかもしれません。それにしても、この情報を産経新聞が1面スクープするところに、何かがあるのかもしれません。