杉並区の保育所待機児童解消にむけた緊急対策に学ぶ(日経グローカル)
雑誌「日経グローカル」(7月3日号)には、フリーライターの小石勝朗さんによる、杉並区の待機児童解消の取り組み記事が掲載されています。タイトルは「聖域なり区有地活用を掲げ保育定員は1年で2348人増加」とあります。それによれば「杉並区は区長をトップとする、緊急対策本部の設置のもと、待機児童対策の緊急対策を講じても、なお2016年4月に120人から190人になるとの予測のもと、行政のショックは大きいものだった」としています。そこで杉並区は16年4月18日に「保育緊急事態宣言」をだし、17年4月には待機児童ゼロをめざし、保育施設用地として「聖域なき区有地の活用」に乗り出したとしています。
その後、「連休明けの17年5月13日に区立公園4ヵ所を含む11ヵ所の区有地に、認可保育所7ヵ所など計795人分の上乗せ策を打ち出し、民間事業所が独自提案していた2ヵ所の認可保育所などあわせて、計1141人分の整備を掲げた」としています。あわせて区独自の保育士確保策にも取り組んだことも掲載されています。その結果、「17年4月には19の認可保育所をはじめ計40の保育施設の開設を畠氏、増えた定員は計2348人で目標の2200人をクリアし、うち半数は待機児童の多くを占める0~2歳児の枠として、認可整備率は37%に上がったとのこと。23区中12位に改善し、認可入所率は申し込み者数は前年より500人増えたにも拘らず、入所率は70%と18ポイント上昇となった」そうです。今後も杉並区は17~19年度にも毎年1000人ずつ保育定員を増やしていく計画とのことです。同時に保育の質の充実にも力をいれ、区立保育所園長経験者による抜き打ち調査も行い、保育現場の質の改善に常時取り組むとしています。
同誌の記事を拝見し、行政トップを中心に緊張感と危機感をもって、待機児童解消にむけて取り組むことで、ここまでのことが実行できるものかと感心しました。この杉並区の待機児童解消の取り組みは、府中市においてもまったく共感できるものです。府中は待機児童の多さでは、多摩でワーストワン、都内でもワーストテンに入る不名誉な記録を残しています。私もぜひ一度、杉並区の保育行政担当者にも話を伺い、議会でも取り上げたいと思います。