(府中市)府中刑務所・・進む受刑者の高齢化、出所しても社会的に孤立、再犯材で戻る受刑者も(東京新聞)
府中市議会議員(無所属)の ゆうきりょう です。今朝の東京新聞社会面に府中刑務所のルポ記事が大きく掲載されています。「福祉施設化進む塀の中」「高齢受刑者 『作業』名目でリハビリの日々」との見出しで、同刑務所には約1500人の受刑者がおり、日本人平均年齢は52歳、最高齢が94歳で65歳以上が約2割を占めるそうです。
★刑務所内が福祉施設の様相
記事によると「府中刑務所では、体力や認知機能の低下した高齢受刑者の増加を受けて、20年度から介護福祉士や作業療法士の職員を採用」「担当刑務官は『簡単な刑務作業を用意しても、それもできない。無理に作業をさせて製品が不良品になれば、仕事を発注してくれる企業にも迷惑をかけてしまう』」「足腰が弱ったり、認知症が疑われるなど、社会では介護の要支援の対象になりそうな受刑者は多い」(作業療法士)など、刑務所内が福祉施設の様相を呈していることを伝えています。
★受刑者を社会が受け入れなければ再犯防止は困難。
また「出所後の受け入れ先がない」として、受刑者が出所してもまた刑務所に戻りたがって、とくに70代以上の受刑者の受け入れ先(仕事など)がなく無銭飲食などを繰り返す高齢者もいるそうです。記事のなかで浜井教授(龍谷大)は「受刑者を社会が受け入れなければ再犯防止は困難。社会では孤立しても刑務所では孤立はない。それでは高齢受刑者が刑務所にとどまることになってしまう」と話しています。
★府中市にも「再犯防止計画」があり、受刑者を社会復帰させる後押しを
私は以前、市議会一般質問で「府中市の再犯防止計画に関する施策」について質疑をしました。府中市には、国の再犯防止推進法に基づき、犯罪をした者などが地域社会の一員として円滑に社会復帰することができるよう、国、東京都、民間支援機関等と連携し、必要な取組を推進、市民が安全で安心して暮らせる地域づくりを行うため、市独自に「再犯防止計画」が策定されています。
★受刑者が出所後の生活基盤を保障するために
この質疑に関係して、私は以前、ラジオフチューズの「刑務所ラジオ」に出演させていただいたことがあります。その際、この番組の制作者で司会を務められている塩田さん(人権監獄センター)から、出所した受刑者のその後の生活について、行政としても支援できないものかと考えました。インターネットの「弁護士ドットコム」で塩田さんは、「以前に、刑務所を出所したばかりの人の支援をしたことがあった。『その方は身寄りがなくて、頼れる友人や知人もまったくいない状態だったので、出所後の住居の確保や、生活保護の申請のお手伝いをしました』。その過程で、塩田さんは、事件を起こして逮捕され、起訴、裁判、収監されてしまうとどんなことが起こるかを知ったという。『たとえば、アパートで一人暮らしの人が、いきなり逮捕されて、保釈されないまま刑が確定して刑務所に入っちゃったら、アパートの家賃は滞納されたままになり、大家さんや管理会社にしてみれば、いわゆる【飛んだ】状態になるわけです』。
★受刑者の社会復帰できる手だてを支援するために
塩田さんは「出所後、アパートを借りようと思っても、以前の家賃滞納が解消されていないので、いわゆる『ブラックリスト』に入っていて新規の契約ができない。持ち物や家具も全部処分されてしまって、何もない状態。家族や頼る人がいればまだしも、身寄りのない人にとっては、社会に復帰しようと思っても手立てさえない状態ということもあるんです」と語られていたのが印象に残っています。
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