府中市 中小企業が賃金引き上げをできる経済環境のために、自治体も全力で支援を(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。
★多摩地域で賃上げできる中小企業は、全国平均を下回る状況
先日の読売新聞多摩版に、多摩地域に本社を置く企業85社に来年度の賃上げ予定に関する記事がありました。記事では「賃上げを予定している企業は77.6%(66社)と、全国平均(85.2%)を1割近く下回った」(東京商工リサーチ立川支店調査)と報じています。同支店は「物価高騰などによるコスト増加分を売価に反映できない中小企業が多いからではないか」としています。
★社員の離職防止のためにも、生産性をあげて賃上げ原資の確保を
記事では「賃上げを『実施する』と回答した企業の産業別では『製造業』の19社が最多、『卸売業』と飲食などの『サービス業』が各12社」「賃上げ率については43社から回答があり、『3%以上4%未満』で16社だった」とあります。また「賃上げの理由(64社が複数回答)については、『従業員の離職防止』と『物価高への対応』がともに46社(71.8%)で最多」「業績向上分の還元」(34社)、「新規採用を円滑にするため」(19社)。
また「賃上げを実施しないとした19社の理由は、『コスト増加分を十分に価格転嫁できていない』(14社)、『原材料価格などの高騰』(12社)、『受注先の先行き不安』(14社)」とあります。記事のなかで「商工リサーチ立川支店の支店長は『賃上げができなければ従業員の離職が進んで人手不足に陥る可能性がある』と指摘、『各企業は生産効率を上昇させるなどして賃上げの原資を確保することが求められる』と話す」。
★5年前に制定された東京都の中小・小規模企業振興条例を、府中市でも具体化を
今日のインフレ下において、国と自治体は何をするべきかが問われますが、東京都では数年前に、中小・小規模企業振興条例を制定しています。私も当時、府中市議会一般質問(令和元年2月)で「府中市も中小企業対策に本腰をいれて取り組むべき」と質疑を行い、中小企業に対する府中市の認識は、「市内には大手企業が存在し、それを支える中小企業の存在の有用性」を主張しています。私はそれを肯定しつつ、現実に元請大手企業と下請け中小企業との間の不当な取引関係があることも指摘し、取引関係における公平公正、中立な行政監視機能の設置も求めました。
特に今日、インフレ物価高騰のうえに拍車をかけるトランプ高関税問題が、わが国経済を席巻しつつありますが、国と自治体一体となった企業振興、国民生活をインフレから守るための所得税減税、消費税の一時的減税、ガソリン暫定税率廃止など、あらゆる手段を講じて消費購買力を引き上げる施策を、直ちに実行しなければなりません。
★経営者は利潤が生みだされ、儲かってこそ初めて賃上げを行う条件ができる
国や自治体がこうした行政サービスを果敢に行うことにより、中小零細企業の経営環境が改善し、利益が生み出されて初めて従業員への賃金引上げを実施できる条件となるのではないでしょうか。府中市の「地方創生ビジョン」においては、府中の商工業の問題についてふれ、「これまでの大企業中心の地域経済は、ひとたび企業危機や撤退などの事態に見舞われると、地域経済にとっても大きなリスクとなることを分析している」ことも紹介。今後の人口減と大幅な経済成長が見込めない今日、街の中小企業を本格的に育成するための方針と施策の発展、内発型の地域循環型経済への転換など、むさし府中商工会議所とも協力し、行政として戦略方針を確立するべきと訴えました。
賃金引き上げが政財官労の4者が共通課題となりつつある今日こそ、こうした視点が再度必要と感じており、再度、議会でも質疑要望をしたいと考えています。(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)