府中市 ケアマネジャー(介護支援専門員)が不足する事態はなぜ起こっているのか(その1)・・厚労省の分析より(府中市議会議員 国民民主党 ゆうきりょう)

府中市議会議員(国民民主党所属)の ゆうきりょう です。
介護支援専門員(ケアマネジャー)の不足が問題となっていますが、厚生労働省の老健局による資料では以下のように分析しています。
1,ケアマネジャーの業務範囲外と考えられる依頼への対応(居宅介護支援事業所調査)
①直近1年間において業務範囲外と考えられる依頼に1回以上対応した事業所は67.5%であった。
②その理由として「緊急性が高く、自事業所で対応せざる得なかったため」が72.5%と最も多かった。
2,居宅介護事業所のケアマネジャーの業務範囲内と考えられる業務と実際に対応している業務
①介護保険制度以外の行政への手続きや申請の代行、支援
②本人や家族からのサービス調整などに関わらない、電話などへの対応、時間外相談
③代読・代筆
④入院・通院時の付き添い、送迎 (以上、厚労省老健局の資料から)
3,ケアマネの人材確保と定着に向けた方策について
(1)課題
①ケアマネージャーは、保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務または、一定の相談活動援助業務に従事した期間が通算して5年以上である者が、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格後の介護支援専門員実務研修を修了することにより、介護支援専門員の交付を受けて資格を取得することができる。
②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、平成29年度までは10万人を超えていたが、平成30年度の受験要件の見直し後に減少し、現在は5万人弱となっている。合格者数も平成29年度までは2万人を超えていたが、現在は1万人ていどとなり、合格率は概ね20%台で推移している。
③ケアマネージャーの従事者数(実数)は、平成30年度の189,754人をp-クに減少傾向となり、令和4年度は183,278人となっている。
④さらにケアマネージャーとなっても、業務多忙や体力面、賃金などを理由に離職する者もおり、介護を要する高齢者が増加していくなかで、将来的にいっそう深刻な人材不足となる可能性が高く、人材確保は喫緊の課題となっている。
4,さらに議論を深めていただきたい論点
①ケアマネジャーの人材確保について、どのような考え方で進めていくことが適切と考えるか。
②介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数の増加のため、保有資格や実務経験等の受験要件の拡大や、受験しやすい試験方法に見直すことについてどう考えるか。受験資格を拡大することとしば場合、質を確保する方策にどう考えるか。
③また、ケアマネジャーとして従事している者の離職防止や、離職・退職したケアマネジャーの職場復帰に向けて、どのような対応策が考えられるか。
④離職要因としては「事務負担・業務負担の大きさ」「賃金・処遇面」「年齢:体力面が多い。
~ケアマネジャーの不足は府中市だけでなく、全国的な課題となっていますが、上記の厚労省の分析について、今後、国はもちろん、都道府県、また介護現場の最前線である市区町村がどのような対策を打ち出すかによっても、ケアマネジャー確保が変わってくるのではないかと、私は思っています。
★ケアマネの関連団体が、要望を取り上げるのは難しい(府中市のケアマネ団体)
私は以前、府中市長あての令和3年度予算要望のなかで「福祉施設や介護現場で働くケアマネージャーの要望について、本庁(市の関係部署)が吸い上げる仕組みをつくるよう検討してほしい」と要望しました。市の回答は「ケアマネージャーの要望については、関連団体でとりまとめのうえ、市に要望をいただければ検討します」というものでした。
一般的回答としてはこれでいいのですが、関連団体でとりまとめられないのが現状のようです。一人ひとりのケアマネージャーから、市に対して要望するのはやはり「困難」ではないでしょうか。今日では市の方から、新型コロナの感染拡大防止のために、積極的にケアマネジャーから意見や要望を聞くという姿勢こそ求められていると思います。(府中市議 国民民主党 ゆうきりょう)
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