府中市 小中学校GIGAスクール構想 (デジタル活用)学校現場の実態は・・全国で英語授業の際、デジタルのみ活用するのは3%(読売新聞)
府中市議会議員(改革保守系無所属)の ゆうきりょう です。
★「通信環境が不十分で、数人の児童の端末が動かなくなり、授業のテンポが悪くなる」
今朝の読売新聞に「小中学校で英語を教える教員のうち、授業で紙の教科書を使わずに、デジタル教科書のみを使用している割合は、3%のみにとどまっていると、財務省の調査でわかった」とあり、「88%の教員が紙とデジタルを併用」していたとのことです。同記事によると、財務省は小中学校の教員983人を対象に、23年度のデジタル教科書の活用状況を調査したそうです。「財務省は『使い慣れた紙の教科書が使用され、デジタル教科書の活用が進んでいないことが推測される』と分析」とあります。
同記事によると、九州地方の小学校で英語を教える教員は、デジタル教科書をいっさい使っていないとし、「通信環境が不十分で、数人の児童の端末が動かなくなり、授業のテンポが悪くなる」「紙はすぐページが開けてスピード感があり集中できる」としています。他にも「紙の方が集中しやすい」「紙の教科書なら書き込みも簡単で、読んでも頭に入りやすい」などの声を紹介しています。
★デジタル活用に前のめりな文科省と学校現場の実態乖離
この記事にもありますが、文科省は小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」を打ち出していますが、懸念する声もあり、記事では「日本私立小学校連合会は①考える力を十分に養えるか、②動画や音声で子どもたちが体験したつもりになり、子どもの学びや発達の妨げとならないか、③健康面に問題はないか」などをあげているそうです。
文科省はこのGIGAスクール構想に前のめりであり、昨年11月の補正予算でも学習用端末の更新費用に2643億円を確保しています。「日本私立小学校連合会の重永顧問は『国はデジタル教科書の活用拡大にむけた検討を急がず、学校現場の声にも丁寧に耳をかたむけ、紙の有効性もふまえたうえで判断すべき』と強調する」とあります。
★GIGAスクール構想が先行し、学校現場の実態が追いついていない状況
また先日の読売新聞の社説では、全国の公立小中高校のうち、文科省が推奨するインターネットの通信速度を満たしていない学校が、全体の8割に上っているとの記事がありました。「学校の規模が大きいほど、通信環境が悪くなる傾向」とのことです。
社説によると「自治体の3割が『クラスで一斉にオンライン教材などを利用する際、一部が接続できない状況が発生する』」とあります。この社説でものべていますが、政府は2019年から全国の小中全員にタブレット端末を1台くばる「GIGAスクール」を推進してきましたが、「端末を使うには、安定した通信環境の確保が大前提となるのに整備が追いついていない」「こうした事態が起きているのは、自治体や学校が、児童生徒数や、授業でどのように、またどの程度ネットを活用するか十分想定せずに、回線契約を結んでいることが要因だろう」と分析、予算も不足している事態も指摘しています。
★紙の教科書も併用しながらの活用を
同社説では今後、国からの支援体制の拡充や、教育デジタル活用のあり方についても問題提起し、「教科書は『紙』を基本としながら、デジタルは、動画や音声も使って学べる補助教材としての利点も活かした活用が望ましい」とし、政府が推進してきたGIGAスクール構想の方針の練り直しも主張しています。
恐らくこうした事態は、府中市内の学校においても同様な傾向と思われます。通信速度が不備なために、児童、生徒たちの学習にも支障がでていると思われます。根本的には国の責任ですが、自治体としても可能な限りの支援体制を望みたいものです。一度、この課題についても、議会で質疑などしたいと思います。(府中市議会議員 ゆうきりょう)
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