府中市の国民健康保険税、値上げではなく値下げこそ必要・・公費負担額増で国民皆保険制度を守れ
【国保会計の自治体独自の繰り入れを引き続き求める】
共産党議員団は昨年の12月議会で赤野秀二議員が府中市の国民健康保険の税額引き上げの議案提案に対して、国保加入者の立場から質疑を行いました。現在国保に加入している人は、年金生活者、個人事業主、無収入の方など、比較的収入が少ない人が加入しています。そこで府中市などの自治体は、加入者の国保料の増額、高騰を抑えるために一般会計から繰り入れ金を投入してきました。しかし国は昨年4月から国保の運用を都道府県に一本化して、自治体からの繰入金をゼロにするよう求めています。
もしそれにしたがい、府中市が繰入金をゼロにすると「一人あたり7万5千円から14万3千円に国保料が引きあがる」との答弁でした。たとえば年間所得250万円、45歳の夫婦と子ども二人世帯では、実に年収の1割以上の負担となることが試算で明らかになりました。これではとても国保には加入できず、無保険世帯となるわけです。
【均等割世帯への減免制度を求める】
また国保では所得に応じて税を加算する「所得割」と世帯の人数で掛け算される「均等割」の合計額で税額が計算される仕組みがあります。「均等割」の仕組みは他の税制にないもので、子どもが多い世帯など世帯人数が増えるほど国保税の負担が増える仕組みです。
赤野議員は「均等割りは無くすべきと考えるが、せめて他市でも実施されている多子世帯への均等割り減免制度を、府中市でも実施してほしい」と求めましたが、市の答弁は「他市の動向をみる」とのことでした。
質疑のなかで赤野議員は「国保税が高いために、滞納している世帯は所得200万円以下が全滞納者の82%になっている」と高額の国保税が加入世帯を苦しめている実態を指摘。全国知事会でも「国保税については、協会けんぽ(サラリーマンが加入している)並みに保険料を引き下げるために、国費として1兆円程度を増額繰り入れすべき」と求めていることも紹介。
府中市は今後20年間で繰入金の解消を行う計画で、来年度からの国保料引き上げはこれにレールを敷くものです。赤野議員は質疑の最後に「国保料の引き上げは滞納者をさらに増やして、国民皆保険制度を壊すことになる」と指摘し、国保料引き上げ中止を求めました。
結城亮(結城りょう)