府中市「緑の基本計画」、豊富な緑の一方で住民の悩みとは
【街路樹の落ち葉の清掃問題・・市民の善意だけでは解決できない時代に。住民の高齢化が拍車をかける課題】
住民のみなさんとの対話活動のなかで、寄せられる相談が多いのが、街路樹の落ち葉の清掃に関する内容です。府中市は「ほっとするね、緑の府中」というキャッチコピーがあるように、街には街路樹や道路端にはつつじが豊富にあります。私も府中市に引っ越してきたとき、「緑が多い街で安らぎを与える街」だと思いました。それはそれで大変素晴らしいのですが、同時にこの街路樹の落ち葉清掃を誰が行うかということで、相談が寄せれることが多いのも特徴です。
【1990年代初頭とは全く違う時代背景になってしまった】
府中市には「緑の基本計画」というものがありますが、この街路樹を豊富に育成するという計画は、1990年代の初頭に国の方針ともあいまって、行われたとのことです。当時の府中市は平和島競艇からの実収入が最高時で168億円もあったとのことで、大型公共施設の建設と並んで、この豊富な街路樹やつづじなども道路に豊富に植えられたとのことです。当時、市には事業推進本部も設置されたと聞きました。
しかしながらあれから約30年近くが経て、人口の高齢化が急速に進み、市の予算収入も頭打ちとなるなかで、街路樹の清掃については「市民のみなさんの自発的な協力をえて行う」というのが市の方針です。「府中まちなかきらら」という清掃ボランティアも、市民に募っています。しかし住民の高齢化で「これまでは清掃ができる体力があったが、高齢になり落ち葉の清掃は本当にしんどい。なんとからならいものか?」という相談が、私にも多数寄せられています。恐らく他の議員さんにも多いのではないでしょうか。
市も現状では解決策を見いだせていない状況です。1990年代初頭の当時には予想できなかった事態が進行している、ひとつの事例ではないでしょうか。財政の余力がある時代の市の施策が、今後は市の「負の遺産」とならないように、大胆な解決策を見出さなければなりません。私も現場の住民のお声を聞いて、取り組みたいと思います。
結城亮(結城りょう)