伊勢丹府中店の閉店問題・・市は「中心市街地活性化」計画について、立ち戻って考えるべき
市民が発行する「府中萬歩記」の第55号で、市民の方から伊勢丹府中店の撤退についてその感想が寄せられていますので、以下紹介します。
三越伊勢丹HDが9月26日、伊勢丹府中店、相模原店、新潟三越の3店舗を閉店すると発表がありました。府中店と相模原店は19年9月30日、新潟三越は2020年3月22日に営業を終了するとしています。2010年の時点で当時、伊勢丹吉祥寺店が閉店の発表があった直後から関係者の間では「次は府中店か?」などの声があることを指摘し、また一部でささやかれている「撤退するのではなく、売り場面積の縮小にとまる」との見方は甘い、早晩に撤退の方向が示されるのは必至だと述べてきました。早くもその危惧は現実のものとなりました。
【中心市街地活性化計画に暗雲】
昨年7月に策定された「府中市中心市街地活性化基本計画」では、府中駅周辺の面積1万平米以上の大型店の年間販売額が2010年から14年までの間で、356億円から339億円と17億円減少したことをあげ、第六次総合計画が終わる2021年までに、これを370億円増加するという数値目標を掲げて、この中核に伊勢丹・フォーリス、くるる、再開発ビル「ル・シーニュ」を位置づけています。
府中萬歩記の43号で府中駅南口再開発事業、その核となった「ル・シーニュ」はそこそこの賑わいがありますが、周辺の店舗、特に飲食店からは「ル・シーニュ」に客が奪われて、営業が圧迫されているとの声も紹介しました。今年の市議会第二回、第三回定例会に提出された、「府中駅の横断歩道の回復などを求める陳情」の審議のなかでも、関係者の切実な声がだされていました。
府中駅周辺の大型商業施設に客を呼びこむとの計画は、伊勢丹の撤退であらたな局面をむかえます。「中心市街地活性化計画」は今一度立ち止まって、総合的に見直す勇気ある決断が求められているのではないでしょうか。
結城亮(結城りょう)