「軽度介護 自治体45%『苦慮』・・住民ら担い手確保課題」(東京新聞)
今朝(19日)の東京新聞総合面には、今年4月より介護保険から切り離され、市区町村に事業が移行した軽度の要介護向けサービスに関する共同通信の調査が記事にあります。
記事では「回答した1575自治体の45%が運営に苦慮していることがわかった。ボランティアら担い手を確保できていないことが主な理由で、地域住民が支えあう仕組みづくりの難しさが浮かび上がった」とあります。とくに注目されるのは「7段階ある要介護度のうち、軽い『要支援1、2』の人向け訪問介護と通所介護(デイサービス)は保険給付からはずれ、2015年度以降は『総合事業』として市区町村が提供するようになった。中重度者向けサービスに重点を置きたい政府は『要介護1、2』についても移行を検討しているが、これには60%超が反対」としています。「『新たな担い手の確保が難しい』を挙げた自治体が49・5%と最も多かった。『運営のノウハウがない』は20・7%、『移行させたことに無理がある』が12.6%と続いた」とあります。
また自治体当局の声として「担当者からは『地域によっては住民の7割が65歳以上で、担い手確保が困難』(群馬県吾妻町)、『これまで専門職がしてきた支援を住民に任せることに戸惑いがある』(京都府宇治市)などの声が聞こえた」と切実な訴えがコメントされています。
介護保険制度は元来、国による社会保障制度であり、そのために私たち国民は介護保険料を納付しているわけです。それを実際の運用において、その一部を住民の「ボランティア」活動に委ねることに相当無理があることは、各方面から指摘されてきました。府中市においても新制度のもとで、介護現場の実態について、事業者や利用者の声を集約し、今後議会でも取り上げていきたいと思います。