トランプ氏の背景にキッシンジャー氏・・読売新聞インタビューより
今日は午前中から赤旗拡大行動、夕方からは今年最後の街頭での辻説法を2時間行いました。さて2017年を振りかえるなら、世界と日本の大激変の前哨戦ともいえる1年であったのではないでしょうか。それは、アメリカ大統領選挙で、政治の素人であるドナルド・トランプ氏が米大統領になったことです。先日、読売新聞(12月27日付朝刊)で、元米国務長官のキッシンジャー氏のインタビュー記事がありました。同氏はトランプ氏について「彼は極めて高い政治的資質を示してきた」「特定の団体の何のしがらみもない。傑出した大統領になる、またとない好機だ」と発言しています。この発言を聞いて、今年5月にキッシンジャー氏と、トランプ氏が密かに会談していた意味が、よくわかりました。
ついでキッシンジャー氏は、米中関係について「世界的に最も重要な2国間関係だ」「両国が争えば他の国々はどちらにつくべきか決断を迫られ、世界中が引きさかれる」「両国が協力関係にあることは世界の利益にもなる」としています。この発言がトランプ政権の対中国政策になるなら、安倍政権の中国敵視政策、中国との武力衝突に備えて法整備された安保法制(戦争法)も意味をなさなくなるでしょう。
さらにキッシンジャー氏は米ロ関係について「(プーチン氏について)ロシアの指導者を精神分析するのは、やめるべきだ」「彼(プーチン)は欧州から中東、アジアで同時多発的に起きるすべての事象に対応しなければならないと考えているのだ」としています。この発言を聞くと、「今後、欧州や中東、アジアの安定はプーチンにまかせる」とも聞こえます。キッシンジャー氏は最後に「米国が世界のすべての問題をただちに解決する必要はない」「他の国々と平和で安定的な世界秩序を創造する機運が醸成できればよい」「その取組を始めることができれば、来年は希望の年になる」と結んでいます。これは米国のブッシュ政権以来、「中東民主化」と称したイラク、アフガン戦争をはじめ、「世界の警察官」たる米国の役割は終わった、と解釈できます。米国の世界戦略の大転換は、安倍政権の外交・安保政策の破たんを意味し、日本共産党の綱領路線の統一戦線、野党連合政権が焦眉の課題になる情勢が到来したのではないでしょうか。